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司法書士 田口司法事務所 スタッフブログ

 

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みそひともじ

No.136  平成27年4月6日(月)

 

三十一文字。みそひともじ。

制約の中で世界を表現する。

私自身は短歌を詠みませんが、祖母が日常生活や孫たちの成長を折

に触れて詠んでいましたので(今でも現役で詠んでいます)、幼い
こ
ろから短歌をわりと身近に感じてきました。

 

私が好きな春の歌のひとつに、俵万智氏の作品で、

「ふうわりと並んで歩く春の道 誰からもみられたいような午後」

という歌があります。

穏やかな春の日差しの中、幸せに包まれたカップルの誇らしげな気

持ちが伝わってくる良い歌ですね。

このふたりは付き合いはじめてまだ日が浅いのかな。世界中に愛を

叫ぶような力強さではなく、誇らしさの中にほんのりとした気恥ず

かしさも包含されているように感じられます。

 

この歌が完成形として歌集に収められるまでには、当たり前ですが、

何度も手直しを行ったと俵氏もその著書『短歌をよむ』で解説して

います。

初稿の上の句は「ふうわりとふたり並んで歩く道」だったそうです

が、なんとしても春の気分を表したくて、上の句を「ふうわりと並

んで歩く春の道」と直したところ、初稿の「ふうわり」「ふたり」
の
「ふ」の響きあいも捨てきれず、「ふうわりとふたりで歩く春の
道」
へと再修正。しかし、「ふたりで」と説明するよりも、「並ん
で」と
いう言葉から「ふたり」を想像する方が素敵であると考え、
歌集に
収めた形がベストであると判断したとのことです。

 

短歌は、文章を書く上でも大変参考になります。

説明しすぎないこと。簡潔、かつ、読む人の想像に働きかける表現

を心がけること。

伝えたい気持ちが溢れて、言葉が過剰になってしまうこともありま

す。一方、仕事の上では潤いのない文章を書かざるを得ない場面も

あります(私の場合はほとんどかもしれません)。

 

短歌を観賞することは、研ぎ澄まされた言語表現の豊潤さを味わい

ながら、言葉の奥深さに唸らされるとともに、自分の書いた文章
(言
葉)と徹底的に向き合い、何度も修正を重ねることの大切さを
教え
てくれます。

 

 

今朝のお供、

サザンオールスターズの『葡萄』。

忘れたいことばかりの春だから ひねもすサザンオールスターズ

―俵万智

                       (佐々木 大輔)
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