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司法書士 田口司法事務所 スタッフブログ

 

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天使の分け前

No.139  平成27年7月13日(月)

 

3月まで放送されていた朝の連続テレビ小説の影響により、ウイス

キーブームに拍車がかかったことで、ニッカウヰスキーの代表的な

ブランドであるシングルモルト「余市」の原酒が不足してしまい、

これまで熟成年数ごとに商品化されてきた「余市」は、今後、ノン

エイジ(熟成年数を表示しない)のみの商品に集約されるとの話。

ウイスキーが好きな私としては寂しいニュースですが、基本お人好

しな性格ですから、多くの人がウイスキーを楽しんだ結果であれば

仕方がないと溜飲を下げています。

 

ウイスキーは、樽で長期にわたって熟成させる必要があるため、い

ったん原酒が不足してしまうと、すぐに増産というわけにはいきま

せん。再びお目にかかるまで、短くても数年(一般的なバーボンは

このくらい)、たいてい10年以上を要するのです。

もちろん、この熟成こそが、ウイスキーをコク深く、美しい香りを

まとった琥珀色の芸術品へと変身させるのですが、実は、熟成して

いる間にウイスキーは少しずつ蒸発してしまうのです。1年に2パ

ーセントずつ、スコッチウイスキーだけでも毎年ボトル1億600

0万本分のウイスキーが消えてしまうといわれています。

何とももったいない話ですが、古来、人々は、「天使に分け前を与
ることで、美味しいウイスキーを手に入れることができるのだ」
考え、この蒸発した分を「天使の分け前」とロマンティックに呼
でいるのです。

 

私は、ブレンデッドもバーボンもシングルモルトも(つまり、何で

も)好きで、その日の気分によって飲み分けています。

バランスのとれたブレンデッドウイスキーにブレンダーの職人芸を

感じながら、穏やかに一日の終わりを愉しむのもいいですし、ラフ

ロイグやアードベッグに代表される強烈な個性をもつアイラ島の
ルトウイスキーで、翌日の活力を漲(みなぎ)らせるのもまたいい
のです。

 

いつもよりボリュームを絞り気味にして好きな音楽をかけ、ゆっく

りとグラスを傾ける。

夜の静寂(しじま)に身も心も溶けていくような、ゆるやかなまど

ろみ。

目の前を天使が通り過ぎたような気がしたのは、グラスを重ね過ぎ

たせいなのかな。

 

 

今朝のお供、

MUSE(イギリスのバンド)の『Drones』。


                       (佐々木 大輔)
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