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バック・トゥ・ザ・フューチャー
No.142 平成27年10月13日(火)
2015年10月21日午後4時29分。
マーティ(マイケル・J・フォックス)とドク(クリストファー・
ロイド)が『パート2』でタイムスリップした“30年後の未来”。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作は、おそらく私が、子
供の頃から最も繰り返し観た映画ではないかと思います。テレビの
ロードショー(テレビ版の吹替えも懐かしい)、ビデオ、DVD…
セリフもほとんどそらんじているほど。
学生時代、3部作のDVDボックスセットが発売されたのにあわせ
て、この3部作を観たいがためにDVDプレーヤーを頑張って購入
したことも懐かしく思い出します。
1955年へとタイムスリップした『パート1』のラスト、時計台
に雷が落ちるシーンは、何度観ても手に汗を握りますし―結末を知
っていても毎回ドキドキできるというのは、エンターテインメント
の究極の理想でしょう―『パート2』で再び55年の“パーティの
夜”に戻るシーンを観てしまうと、再度『パート1』を見直したと
き、ステージでギターを弾くマーティの頭上に、思わずもうひとり
のマーティを探してしまいます。
そうそう、この時マーティの弾いた「Johnny B. Goode」(チャッ
ク・ベリーが1958年に発表した曲)を聴いたチャック・ベリー
が、マーティの演奏に着想を得て、後年「Johnny B. Goode」を作
曲したというタイムパラドックスも、音楽ファンをニヤリとさせる
演出です。
さて、『パート2』で描かれた“30年後の未来”はどのくらい実
現しているのか。
さすがに車は空を飛んでいませんが、天気予報は、秒単位とまでは
いかないものの時間単位でより精確な予報が出るようになりました
し、3D映像、多チャンネルテレビ、テレビ電話、指紋認証システ
ムそしてタブレット端末…。
マーティが履いていた自動で紐が締まるナイキのシューズは、20
11年にナイキがレプリカを限定販売したことでも話題になりまし
た。今年中に“本物”を発売することもナイキが宣言しています
(特許は取得済みとのこと)。
これは、『鉄腕アトム』や『ドラえもん』などにもいえることです
が、未来を描いた名作が、科学者や技術者たちに、描かれた世界を
実現しよう―あるいは、悲劇的な未来であれば未然に阻止しよう―
という動機付けを強くするからこそ、実現したことでもあるのでし
ょう。今年ノーベル物理学賞を受賞した梶田教授も、「主人公のア
トムではなく、お茶の水博士に憧れる少年だった」とのことですし。
そして、『パート3』。
最終作の舞台は西部劇の時代にまでさかのぼり、130年にわたっ
て過去と未来を行き来した3部作は、いかにもアメリカ的で前向き
なメッセージによって締めくくられます。
そう、「未来は何も決まっていない。未来は自分で作るものだ」。
今朝のお供、
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(アメリカのバンド)の『FORE!』。
『パート1』の主題歌「The Power of Love」を歌ったヒューイ・
ルイスは、映画にもバンドオーディションの審査員役でカメオ出演。
(佐々木 大輔)
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