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司法書士 田口司法事務所 スタッフブログ

 

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耳へのご褒美

No.113  平成25年12月2日(月)

 

今回は、最近聴いて感銘を受けた1枚のCDを紹介します。

レーピンのヴァイオリン演奏によるヤナーチェク、グリーグ、そし

て有名なフランクのソナタを収めた1枚です。

 

ロシア人のレーピンは、ベルギーで開催された1989年エリザベ

ート王妃国際音楽コンクールの優勝者(第2位は諏訪内晶子)。

諏訪内氏の著書『ヴァイオリンと翔る』によると、この時のレーピ

ンは、ソ連の威信をかけ、国から「優勝を義務付けられて」西側の

コンクールに送りこまれた出場者だったとのことで、本国から派遣

された通訳、教師、ピアニスト、さらには秘密警察なども同行して

いたそうです(一説には彼の亡命を阻止する目的もあったとか)。

そして、コンクール会場へ向かう道中も、本国が用意した専属運転

手付きリムジンの後部座席で、大きな体をかがめながら必死の形相

でヴァイオリン(これも本国から貸与された故オイストラフ愛用の

名器!)を練習していたレーピンの姿は、諏訪内氏に忘れられない

ほどの衝撃を与えました。

ちなみに、諏訪内氏がジュリアード音楽院でヴァイオリンを学ぶと

ともに、コロンビア大学で政治思想史を専攻した理由のひとつは、

レーピンに見たソ連という国のあり方にあったとのことです。

 

閑話休題。

このCDに聴くことができるレーピンの演奏は、国の威信と国民の

期待を一身に背負わされた少年が、そのプレッシャーにつぶされる

ことなく演奏家として鍛錬を重ね、不惑にして揺るぎない大家への

道を歩み始めたことを確信させる名演でした。

 

もうひとつ音楽の話題を。

先月、イヤタカ・ヴァレリアーノで、コース料理を楽しみながら、

メゾ・ソプラノ歌手唐澤まゆ子さんとピアニスト飯野明日香さんの

デュオ・リサイタルを聴くことができました。飯野さんは、私がシ

ーガルクラブでお世話になっている税理士長谷部光重先生の姪御さ

んです。

フランス作品を中心とした、まるでヨーロッパを巡る旅行のような

素晴らしいプログラムの中、唐澤さんは、ケルビーノのアリア(『フ

ィガロの結婚』)では恋い焦がれる思春期の少年を、カルメンのアリ

アでは情熱的で妖艶な女性を演じて会場を魅了した後、小林秀雄作

曲の「落葉松」をしっとりと歌い、格別に美しい余韻を残しました。

 

飯野さんのピアノを聴くのは2年振りで、前回、リストの作品を中

心としたプログラムを聴いた折、彼女のたおやかでありながら凜と

した演奏から、「飯野さんの弾くベートーヴェンとウェーベルンの作

品を聴いてみたい」と思わされたものですが、今回念願のベートー

ヴェンを聴くことができたことは望外の喜びでした。

 

 

今朝のお供、

エミネム(アメリカのミュージシャン)の

The Marshall Mathers LP2』。

私が思う彼の最高傑作『The Marshall Mathers LP』の続編として

リリースされた最新作!

                       (佐々木 大輔)
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