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司法書士 田口司法事務所 スタッフブログ

 

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ビリー・ホリデイを聴く

No.129  平成26年9月22日(月)

 

―いけないケムリと水で その身をけずり落としてまでも―

(星空のビリー・ホリデイ)

 

読書をしながら何か音楽を聴きたくて、いろいろCDをかけていた

ところ、最後にかけたビリー・ホリデイ(アメリカのジャズ歌手)

が読みかけの小説の雰囲気に妙にはまり、はからずも久しぶりに彼

女の歌を聴くことになりました。

 

彼女の声が持つ圧倒的な存在感は、本質的にはBGMになり得ない

ものですが、小説の雰囲気がとても軽やかだったため、彼女の歌と

ぶつかることなく、読み進めることができたのかもしれません。

 

本を読み終え、今度は彼女の晩年の名盤『Lady in Satin』と『Billie

Holiday(ラスト・レコーディング)』を聴きました。

Lady in Satin』の冒頭、スピーカーから飛び出すしわがれ声には、

分かっていても一瞬たじろぎます。衰えは著しく、音程も不安定、

技術的に言えば断じて上手い歌ではありません。

後年、若い頃の瑞々しい歌声を失ったのは、麻薬とアルコールに溺

れた彼女の自業自得とはいえ、思い通りに歌えない彼女の苦しみと

悲しみが伝わってきて、息が苦しくなるほどです。

 

一方、『Billie Holiday』における彼女は、晩年にしては声もよく出

ており、曲が進むにつれ、声に歌う喜びが乗ってきます。バックを

務めるミュージシャンも、彼女の希望をかなえたメンバーが揃いま

した。

彼女の白鳥の歌となった、アルバムの最後を飾る曲「Baby Won’t

You Please Come Home」は、苦悩に満ちた人生の締めくくりとし

ては意外なほど、明るさに満ちています。

 

so long 黄昏を歌に秘めたら―(星空のビリー・ホリデイ)

 

初めて彼女の歌を聴いたのは、ちょっと背伸びをしたかった中学生

の時。大人の世界を覗いたような気分になりましたが、結局、その

時は良さを理解できませんでした。

しかし、年齢を重ねるにつれ、少しずつ彼女の魅力(というよりも、

彼女の引き受けた孤独とは何たるか)を分かり始めたような・・・

 

でも、正直なところ、やっぱり分からない。

村上春樹氏は著書の中で、彼女の歌を「癒し」ではなく「赦し」と

表現しましたが、その感覚も私には分からない。

それは、まだ、なのか。

それとも、ずっと、なのか。

 

 

今朝のお供、

サザンオールスターズの曲「星空のビリー・ホリデイ」

                     (佐々木 大輔)
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